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長らく放置しておいてなんですが、かな~り写真を溜め込んでいるばかりか他の営業所の管区に飛び回っているせいか”系統”より”車両”に偏りつつあります・・・。
というわけでかなり久々ですが、このシリーズを進めていこうと思います。



Osaka661 TM 55osaka

【55】[大浪橋東][岡崎橋]大阪駅前行き
いすゞ エルガ KL-LV280L1改
鶴町営業所所属 15-0661号車(2005年式)
鶴町三丁目にて

55号系統は三軒家までは71号系統などと同じく大正通を通っていきますが、大正橋(大正駅前)を通らずに大浪橋を渡って立葉に向かいます。
その後地下鉄桜川で60・71号系統のルートとクロスし、堂島まであみだ池筋を北進すると大阪駅前まではすぐそこです。
かなりの長距離を走る路線ですが、大浪橋を境に路線の性質が変わっている印象を受けます。
何せ堂島から阿波座までオフィス街のど真ん中を通っているものですからね・・・。

運転本数は日中で1時間に2~3本と87号系統と並び結構頻繁に運行されており、平日朝夕になると本数が増えるのもオフィス街を通ることを意識した設定となっています。
71号・91号の各種派生路線は営業計数的に軒並み苦戦を強いられている中で、55号系統の数字は105(2017年度)とギリギリ赤字ではあるものの一日の乗客数は4000人以上と大凡安定している路線とも言えるでしょう。



Osaka819 TM 55tsuru

【55】[岡崎橋][大浪橋東]鶴町四丁目行き
日野 ブルーリボンII PJ-KV234L1
鶴町営業所所属 36-0819号車(2006年式)
大阪駅前にて

大阪駅前バスターミナルでは4番のりばから発車します。
バスロータリーの西側の最も端にある乗り場で、36号系統(中津・酉島担当)もそこを使用します。
バスが発車すると御堂筋改札側を廻り、警備員さんのいる横断歩道を横切って右折して阪神前交差点でさらに右折、グランヴィア大阪前を通って最初の停留所桜橋を通ります。
梅田新道バス停は75号・56号と同様に通過しますので、注意です(注意したとこで誰が使うねんそんなとこ)。
ところで先程名前の挙がった75号系統(大阪駅前~なんば)ですが、数年前は意外な経路(管理人的感想)を辿っていました。【以降オマケ部分】



Osaka837 NK 75osaka

【75】[西大橋]大阪駅前行き
日野 ブルーリボンII PJ-KV234L1
中津営業所所属 36-0837号車(2006年式)
なんばにて

今でこそ8号系統に取って代わるキタとミナミを結ぶバス路線ですが、2012年までは大阪駅から鶴町四丁目まで結んでいた路線でした。
本題である55号系統との関係を述べるとするならば、当時55号系統は「大浪橋を通らずに大正橋に停車、桜川からあみだ池筋に入る」ルートであったのに対して当時の75号系統は、「大正橋を通らずに大浪橋を通り、そこからなにわ筋に入る」ルートを取っていました。
2008年の時刻表によると、55号系統は今と変わらず日中20~30分間隔での運行で、75号系統は日中約40分間隔での運行でした。

2012年以降、75号系統は鶴町直通を取りやめてなんば行きとして運行を続けていましたが、2014年に遂に長年担当を続けていた鶴町営業所が担当を降り、中津営業所にバトンタッチ。
2016年に酉島営業所が担当に加わって現在に至っています。
現在、運転間隔は20分に1本になっており、10年ほど前の2倍にまで増えています・・・笑

現在でも55号・75号は通る筋は違えどオフィス街を通る路線。
約10年後のなにわ筋線開業の頃にはどうなっていることやら・・・と思いを馳せつつ55号系統編をシメさせていただきます。



【余談】
ウェブアーカイブなるものは便利ですね。
当時大阪市バス時代の過去データを漁るのに重宝しているんですが、大体2003年辺りまで綺麗な状態で全体路線図や発車時刻表を見ることができたりします。
2003年以降今までで2回ほどホームページを移転しているようで、2012年頃に".jp"から".org.jp"に移行して、2018年に皆さんご存じの通り民営化でHPも様変わりしました。
市バス歴史ネタ複数本書けるぐらいの情報量の多さですので、物好きの方は是非・・・。



次回:鶴町を離れて・・・?

近頃は鶴町営業所だけでなく他の営業所における希少路線、古参車の記録等に時間を割くことになってなかなか進められていません…。
今回は鶴町系統でもあまり目立たない系統(管理人所感)の90号系統のレポートをしてみたいと思います。


Osaka TM955 90tsuru

【90】鶴町四丁目行き
いすゞ エルガ PJ-LV234L1
鶴町営業所所属 17-0955号車(2007年式)

第1回目で紹介した91号系統(鶴町四丁目~ドーム前千代崎)をさらに北に伸ばし、野田阪神前へ向かう路線としたのが90号系統です。
日中の運転間隔は少々ばらけていますが、1時間に1~2本が確保されています。
とはいえ大凡40分間隔での運行であるため、時間によって本数の変動が激しい91号系統とは違って大幅に時間差が開くことはありません。

かつてはこの系統が市電とほぼ同じルートを辿っているとして「幹線91号系統」を名乗っており、2002年にドーム前千代崎発着の現在の91号系統が登場したと同時に「91A号系統」と名を改めています。
そして2010年に現在の90号系統に変更となって現行の体制となりました。



Osaka TM1460 90noda

【90】野田阪神前行き
いすゞ エルガ PDG-LV234L2
鶴町営業所所属 20-1460号車(2010年式)

ドーム前千代崎以北はほぼ完全に90号系統のみの独自ルートを辿っていますが、そのまますんなりと野田阪神に行けるわけではありません。
ざっくり言うと以下のような複雑なルートを辿ります。

[ドーム前千代崎]-(府道173号)-[松島公園前]-[本田一丁目]-(みなと通)-[川口一丁目]-[地下鉄玉川]-(阪神高速3号下)-[野田阪神前]

大通りに入っては出るを繰り返すジグザグなルートはシティバスの路線図をご覧になるとよく分かりますが、バス停1つに付き1回のペースで右折・左折をしている計算になります。
そしてあまり気づかれていないようですが、ほんの少しだけ中之島を通っています(中央市場前~川口一丁目)。
その橋の名前もあろうことか「船津橋」。
53号系統(中津)が終点としている船津橋バス停とは結構離れており、乗り継ぎするには少し遠すぎる距離です。

写真は本田一丁目(南)バス停付近で、バス停を出てすぐ右折してみなと通(国道172号)に入っていこうとしているところです。




系統の数的にもそろそろ折り返しの地点、気力の続く限りやって行こうかと思います・・・。

鶴町営業所の牙城となっている大正区内で、唯一他営業所の専属路線が、しかも大正通に堂々と乗り込んでいます。
それこそが地下鉄住之江公園~ドーム前千代崎を結ぶ「76号系統」、シティバスの中でも一二を争うテリトリーの広さを誇る住之江営業所の路線です。



Osaka SN2134 76sumi

【76】地下鉄住之江公園行(@大正橋交差点)
いすゞ エルガ PJ-LV234L1
住之江営業所所属 17-2134号車(2007年式)

76号系統は、地下鉄住之江公園(住之江車庫所在地)から南津守まで新なにわ筋を北上、そこから「めがね橋」との異名をとる千本松大橋を渡って大正区に入り、大正通を北上してドーム前千代崎を結ぶ路線です。
鶴町営業所の牙城・大正通に乗り込む異色の系統ですが、日中はそこそこの乗車率で営業係数の面でも善戦しています。
日中の運行頻度については、平日は概ね40分に1本、土曜休日は60分に1本と少なめ。



76-Senbon

この経路の道中には、めがね橋という異称を持つ千本松大橋があります。
同じ大正区内にある長大橋のなみはや大橋、千歳橋と同様に大型船が通れるように高さを36mとしています。
しかし、なみはや大橋や千歳橋とは違って橋の両端に十分な土地が無く、直線状の坂を作ることができなかったため、両端をループ構造としています。
大正区の三大大橋の中では最も早い1973年に開通、歩行者も通れるようになっていますが千歳橋と同様に渡船も残されています。
尚、このループ状スロープの中には少年野球の小さなグラウンドがあったりします。



Osaka SN1012 76sumi

【76】地下鉄住之江公園行(@大正橋交差点)
いすゞ エルガ PJ-LV234L1
住之江営業所所属 17-1012号車(2007年式)

南津守~住之江公園間は地下鉄玉出に寄り道することなく、新なにわ筋を通っていきます。
路線図を見ての通り地下鉄住之江公園周辺のルートは実に複雑で、一つの例をとると住之江公園の北側にある北加賀屋を経由する系統は76・29・15号系統となっています。
そのうちの15号系統(南港南六丁目行)は地下鉄玉出を通るため、地下鉄住之江公園→住之江区役所→粉浜→地下鉄玉出→北加賀屋の大回りのルートを取ります。
尤も、これはもっとゲテモノな行路を往く系統もあるのを前提でこの話をしているのですが、この続きはもう少し住之江営業所を探ってみてから書くことにします・・・。



そろそろ安定したコンテンツになってきたので常設企画としてシリーズを続行しましょうかね・・・。
次回はまた鶴町営業所について書いていくこととします。

前回は大浪通を通る87号系統のお話でしたが、今回はもう一つの大浪通経由の系統・98号系統をご紹介することとします。
しかし、この系統の歴史を紐解いてみると、度重なる路線再編の動きに巻き込まれかなりややこしいことになっていたようです・・・。


Osaka TR1029 98taisho

【98】[新千歳]大正区役所前行き
三菱ふそう CNGエアロスター KL-MP37JK改
酉島営業所所属 57-1029号車(2007年式)

今回初めて他営業所との共同運行路線を紹介しますが、鶴町営業所が持つ共同運行路線は専ら酉島営業所とのペアとなっています。
98号系統はドーム前千代崎・大正橋から大浪通に入り、泉尾一丁目、新千歳、済生会泉尾病院前を経由して大正区役所前に至るかなり短い路線です。
本数には若干の変動がありますが、日中1時間に1~2本、朝夕は1時間に3~4本と87号系統と合わせてそこそこの高頻度運転となっています。
大正通を通らないにもかかわらず、営業係数は鶴町営業所の中でも2番目に良い成績(営業係数75、2017年度)を誇ります。

2014年からは同じくドーム前千代崎発着の51号系統「弁天町駅前経由天保山行き」との連結運行を、酉島営業所担当便に限り開始しました。
連結運行というのは、ドーム前千代崎に到着した98号系統が終点扱いとせず、そのまま51号系統として天保山へと向かう仕組みです。
勿論その逆も然り、乗客は引き続き乗車して天保山方面に行くこともできます。
裏を返すと、終点のドーム前千代崎で降車する際は降車ボタンを押さなければならないため、なかなかややこしいシステムになっています・・・。



Taisho-bashi

(系統番号は自作しました・・・汗)
こちらは大正橋バス停の乗り場一覧ですが、これが後述する98号系統の経路改変の歴史を紐解く鍵となります。

まずは南行の1~5番のりばを見ていきますが、日中を基準に考えていくと以下のような分類ができます。

【1】:大浪通(泉尾一丁目・新千歳)経由・・・【87】【98】

【2】:大正通(南泉尾・大運橋通)経由の鶴町四丁目行(各停)・・・【71】【90】【91】

【3】:千島団地・小林公園前経由・・・【94】

【4】:西船町行(各停)・・・【70】

【5】:地下鉄住之江公園行・・・【76】

ご覧の通り経路別・行先別に乗り場が分けられており、特に乗客の多いこのバス停の待機列分散が実現されています。
これに【70急行】と【91急行】を同系統の各停便と被らないように配置すると画像のような配置になります。
98号系統の発着する1番のりばは他の乗り場と違ってJRの高架を挟んだところにありますが、特にこれに深い意味は無さそうなので割愛します。


一方で、北行の6~9番のりばは完全に行先別で分けているタイプですが、それがなかなか変なことになっています・・・。

【6】:ドーム前千代崎行・・・【98】

【7】:なんば行・・・【71】【87】

【8】:野田阪神行・・・【90】

【9】:ドーム前千代崎行・・・【70】【76】【91】【94】

同じドーム前千代崎行なのに98号系統だけ隔離された状態になっています。
他のドーム前千代崎行は9番のりば(実質的に降り場)、しかし98号系統だけ9番のりばをすっ飛ばして6番のりばで客扱い・・・
そう、この「6番のりば」に98号系統の”散々振り回された”歴史が詰まっているのです。


かつて98号系統は「大正区役所前~大正橋~玉船橋~弁天町バスターミナル」を結ぶ、今でいう現行の98号系統と51号系統の一部をドッキングしたような経路を辿っていました。
尚、この当時からドーム前千代崎発着の大正区役所前行(現在の98号系統のルート)が無かったわけでなく、当時の大阪市バスの常套手段であった「区間運行」と言う立ち位置で、「98A号系統」として運行されていました。
担当営業所も酉島や鶴町ではなく、2013年に廃止となった港営業所となっていました。

2010年辺りまでは先述した2つの経路の他にも「新千歳止め」の便も存在していたようですが、それ以降は98,98A号系統の2本体制で運行されていました。
しかし2012年にダイヤ改正が行われ、98A号系統が独立して74号系統に変更。
74号系統は平日と土曜の朝夕限定の便として、引き続き98号系統を補完する役目を果たすこととなりました。
でもこの体制は長くは続かず、翌年には港営業所の廃止に伴い鶴町営業所と酉島営業所がその跡を引き継ぎ、さらにその1年半後の2014年9月には遂に弁天町バスターミナルが閉鎖となるのです。
そこで、従来「弁天町BT~大正橋」の区間を98号系統が受け持っていた代わりに、「弁天町BT~第一突堤前~天保山」を結んでいた51号系統をドーム前千代崎に延伸する形でバトンタッチ。
98号系統は現在の運行経路に短縮される代わりに、一部の便を51号系統との連結運行を行うことになりました。
それと同時に74号系統は98号系統に名称変更、消滅しました。


Taisho-6789

以上を踏まえると、大正橋6番のりばはかつて「弁天町BT行の乗り場」として機能していたことが分かります。
74号系統が存在していた当時は、その74号系統とも棲み分けが為されていたため特段矛盾が発生するということは無かったのですが、74号系統無き今このような「2つのドーム前千代崎行の乗り場」が存在しているのです(まあ乗る人誰もいないと言っちゃったらオシマイなんだけど)。
とはいえ現在のような連結運行があることもあってか、昔の名残としてこのような配置にしていると思われます。



長くなりましたが以上です。
一つの山を越えた気がするので、多分更新頻度落ちます(おい)

前回は鶴町四丁目~なんばを結ぶルートのお話をしましたが、今回は同じ起終点でありながらも少し変わった経路で結ぶルートをご紹介することとします。
そう、2回目でチラッと記述したアノ系統です。



Osaka TM827 87namba - コピー

【87】[千歳橋]なんば行き
日野自動車 ブルーリボンⅡ PJ-KV234L1
鶴町営業所所属 36-0827号車(2006年式)

鶴町営業所専属のルートの中では珍しく大正通をほとんど通らず、大正区西側の大浪通を通り千歳橋を渡る71号系統のサブルート的な系統です。
日中は30分に1本と決して少なくはなく、なんば~鶴町四丁目の所要時間が71号系統で34分なのに対して、87号系統は驚くなかれ32分!
しかも、終点鶴町四丁目バス停のすぐ北側には「鶴町四丁目北」というバス停があり、余計に速く感じます。

中津営業所と住吉営業所を除き、主要駅と車庫を結ぶ路線にはメインとなるルートとサブルートとがセットになっているケースがあります。
井高野の37号に対する93号、守口の34号に対する78号、酉島の56号に対する59号と43号、住之江の4号に対する3号、そして鶴町の71号に対する87号となっていますが、大体サブルートとなる系統は所要時間が長くなりがちです。
そういう意味でもこの87号系統、「優秀すぎるバイパス路線として」かなり異端な存在です。



Chitose
(千歳渡船の船の上から撮影)

この系統の特徴は何と言っても長大橋・千歳橋を渡るという点。
勿論橋の両端以外には信号がなく、バスはアクセル全開で橋を高速走行します。
以前にも紹介した72号系統と同様に、大きな橋を渡るという大きなアイデンティティがあることから、72号系統共々方向幕に経由バス停ではなく”経由する橋”が表記されています。
なお、なみはや大橋も千歳橋も自転車で渡れます(なみはや大橋の袂には渡船なんてものはありませんが)。




Osaka TM819 87tsuru - コピー

【87】[千歳橋]鶴町四丁目行き
日野自動車 ブルーリボンⅡ PJ-KV234L1
鶴町営業所所属 36-0827号車(2006年式)

2014年までは108号系統と名乗っており、2003年の千歳橋開業前までは千歳橋が終点となっていました。
こんな中途半端な場所が終点になっていたのもかつて大浪通に市電が走っていた名残で、後付けのような形で71号系統のサブルートという属性が付加されました。





次回はそんな87号系統とも密接に関わってくる系統のご紹介でも・・・

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